2022.12.12
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退職者の会

東京地方退職者の会だより vol.11

『野球審判歴56年』

   南多摩支部 椚 哲郎さん

昨年12月に八王子市丹木町の自宅を訪れました。椚さんは、昭和16年生まれの80歳です。日焼けをしていますが、その笑顔は50歳代です。

椚さんは、昭和36年に八王子郵便局に採用され、その後八王子恩方郵便局、町田郵便局で勤務し、平成15年3月に退職し奉職42年という経歴です。

実は椚さんは、アマチュア野球界では有名な方で、八王子郵便局に採用されてから3年後には、八王子野球連盟の審判にデビューしました。それから56年経った今も現役の審判として活躍しています。椚さんは、その審判技術などから、八王子市の審判部長から理事長へ昇格し、理事長を務めながら平成25年東京国体開催前に東京都軟式野球連盟の審判部長に就任しました。

54年振りの東京開催は「多摩国体」とも呼ばれており、国体のスローガンも「東京に多摩に島々に羽ばたけアスリート」でした。

自宅にはたくさんの表彰状がありました。平成11年の野田聖子郵政大臣表彰を発見。表彰状には「町田郵便局第二集配課上席課長代理椚 哲郎」「スポーツの復興を通じて社会貢献」と記されています。また、写真も多くあり、穏やかでスマートで切れのあるジャッジ、判定をめぐるトラブルもほとんどなかったのであろうと想像できる姿でした。例えあったとしても、『椚裁き』で監督や選手は笑顔でベンチに戻ったことと思います。現在は花形審判員を卒業して、大学リーグの審判のお手伝いをしているそうです。

みなさん、80歳は引退の年齢と思っていませんか。

身体を動かすこと、声を出すこと、これが生涯現役を貫く方法なのかもしれません。話を伺いながら、私たちも「もっと頑張りたい」「もっと頑張らないと」と感じました。

記者  多摩西連協 南多摩支部  白倉 忠直

この記事内容は、Jump up Tokyo第186号に掲載したものです。